自作ガイガーカウンタ2号機タイプ1(Rev.1)の製作
取り敢えず、試行錯誤の記事では、最終的に完成した情報が分かり難いので、完成したもの毎に、記事を纏める事にした。なお、タイプ0は、オリジナル回路のDC−DCコンバータで昇圧してGM管を駆動する形態。タイプ1は、AC100Vから電源トランスで昇圧してGM管を駆動する形態。タイプ2は、市販システム部品を組み合わせて作る形態と分類。この記事は、タイプ1となり、AC100V電源からトランスで昇圧して、GM管を起動する方式の製作品の紹介。
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上左写真、GM管の出力パルスは、マイク信号レベルのオーディオ出力仕様(「11060501.mp3」をダウンロード )。上右写真、実際に、モニタスピーカーのマイク入力端子へ接続。下左画像は、回路図。下右画像は、実装図。
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内部の様子は、GM管ホルダも、アクリルパイプで、自作しました(下左写真)。下右写真は、ラグ板の実装。ケーブルには、圧着端子経由で接続して、着脱を容易化。
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MacBook Proへ接続してのパルスの計測は、usbサウンドアダプタを利用。32kbpsモノーラルで録音して、非圧縮のAIFFファイルに保存する事で、プログラムから容易にパルスの計数ができるようになる。下画像は、フリーのMacOSX用録音ソフト(Audacity)の画面。録音時間を1分間に設定して録音。
上記で録音したAIFFファイルを、下記のプログラムを使って、パルス計数。ガイガーミュラ管CK1026のCMPとμsV/hの換算計数は、このサイトのデータを使って、3100CMP=1μsV/h(推定値)を採用している。
#include "stdafx.h" #include <windows.h> #include <mmsystem.h> struct HEADER_CNK { u_int32_t ckID; int32_t ckSize; u_int32_t formType; }; struct HEADER_COM { u_int32_t ckID; int32_t ckSize; short numChs; u_int32_t numSam; short samSize; char samRate[10]; }; struct HEADER_SSND { u_int32_t ckID; int32_t ckSize; u_int32_t oft; u_int32_t blkSize; }; main( int argc, char **argv ) { int fp; int ret; struct HEADER_CNK hCnk; struct HEADER_COM hCom; struct HEADER_SSND hSsnd; char sd; char sd_prev; char sd_prev_prev; char sd_max; char sd_min; double svh = 0.0; int cnt = 0; sd_max = sd_min = 0; fp = open( argv[1], O_RDONLY ); if (fp == -1) { fprintf( stderr, "ERROR(%d), %s\n", __LINE__, argv[1] ); return -1; } ret = read( fp, &hCnk, sizeof(hCnk) ); ret = read( fp, &hCom, sizeof(hCom) ); ret = read( fp, &hSsnd, sizeof(hSsnd) ); sd = sd_prev = sd_prev_prev = 0; for ( cnt=0;; ) { ret = read( fp, &sd, sizeof(sd) ); if ( ret < 1 ) break; if ( sd > sd_max ) sd_max = sd; if ( sd < sd_min ) sd_min = sd; if ( sd < 0 ) sd =0; if ( (sd > 20 ) && (sd_prev > 0) && (sd_prev_prev == 0) ) { // 上記、20が閾値になっている cnt++; } else { } sd_prev_prev = sd_prev; sd_prev = sd; } close( fp ); svh = (double)cnt / (double)3100.0 ; // CK1026 by http://einstlab.web.fc2.com/geiger/geiger3.html
fprintf( stderr, "%d, %d, %d, cnt = %d, usv/h = %e\n", hSsnd.ckSize, hSsnd.oft , hCom.samSize, cnt, svh ); fprintf( stderr, "Max: %d, Min: %d\n", sd_max, sd_min ); }
実行結果例は、下記。
luna:GM_LOG digi_ponta$ ./a.out 11060501.aiff 2164, 0, 3392, cnt = 163, usv/h = 5.258065e-02 Max: 58, Min: -12 luna:GM_LOG digi_ponta$
0.053μsV/hと出てる。まあ、オーダ的に合ってるかな。なお、一応、実行してみて、もし、閾値が、Minの絶対値より低くなっていたら、Maxを超えない範囲で、閾値の修正が必要。
一応、以上で、紹介を終了。なお、この記事の内容は、製作物の品質保証するものではありませんので、利用には、再三再四、ご注意下さい。
さて、次に行くか(*´д`*)〜з
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(追記2011/6/11) 外部からのサージノイズで、GM管へ過電圧が発生すると、不安定になることが判明。現在、下記の回路の見直しで、再度、動作テスト中。
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24hの動作テストの結果、残念なことだが、どうもGM管CK1026の挙動が安定しないことが判明(下グラフ)。
この変になったポイント(3:30am)以降は、GM管内で、定常的な内部放電が起き続きてる感じです。CK1026のデータシートだと、過電圧耐久性もアピールしてるんで、だいぶん劣化しているようだ。まあ、玩具のジャンク部品としては、数時間動作してれば良いとも。後は電源制御(ソリッドステートリレーなど利用)で騙し騙し使うか。現在、使っているこのCK1026は、もう復活しないか、現在、電源を止めて休ませている。CK1026のスペアは後、1本(ロシア製GM管CK1026が駄目なら、サイズが似通っている中国製GM管J305β(DC380V)へ乗り換える予定)。また、回路図は、下図へ見直ししている。
バリスタに直列に接続した抵抗を省いている。この安全回路は、AC100V側のヒューズで対応。
注)現在、中国製GM管J305βγへ乗り換えて、動作確認中です。この変更後の回路は、上記のものを、少々、改造して、併用しています。(追記:2011年6月19日)
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